思っていた映画と良い意味で違った『ザ・コンサルタント』

最近は、もっぱらオンライン配信サービスを利用して映画を見ています。いろいろな映画が配信されていて嬉しいのですが、新しい作品はさすがになかなか配信されないですね。

久しぶりにTSUTAYAに寄ったところ、見たかった新作映画がたくさん。でも、なかなか見るゆとりがないので、借りるのは1本だけにしました。

盲目の老人が超怖い『ドント・ブリーズ』にしようか、会計士が超強い『ザ・コンサルタント』にしようか迷いましたが、今回はベン・アフレック主演の後者にしました。

以下、ちょっと映画本編に触れます。

邦題「ザ・コンサルタント」はおかしい

ベン・アフレックの演技が冴える『ザ・コンサルタント』、人にすすめたくなる素晴らしい映画でした。ただ、これ、邦題や予告編にちょっと難アリではないでしょうか。

原題は "The Accountant" 、要するに「会計士」ですね。それをなぜ「コンサルタント」にしたのか、よくわかりません。劇中では、わざわざコンサルタントを題名にするほど、コンサルティングを行っている描写やコンサルタントとしての設定はなかったように思います。せいぜい、映画冒頭で、主人公「クリスチャン・ウルフ」が顧客に節税手段を指南するシーンぐらいでしょうか。

また、物語の中心となる不正の洗い出しは、それこそ会計士としての仕事ぶりであって、コンサルティングは関係ないですね。

この程度の齟齬なら別に気にはしませんが、わたくし的に最もいただけないと感じたのが、コンサルタントという職業とクリスチャン・ウルフという人物像が完全にミスマッチなことです。

ベン・アフレック演じるクリスチャン・ウルフは、高機能自閉症を患っています。特異的な才能がある一方で、人との関係構築が不得手という役を演じるベン・アフレックに役者魂を感じますし、劇中でもそんなクリスチャン・ウルフの人物像を大切に表現しています。高機能自閉症患者は数学に強く、一つの物事を黙々と徹底して完璧に行う傾向があるそうですが、だからこそクリスチャン・ウルフは会計士という職業にあったと考えるのが自然な設定ではないでしょうか。また、これについては、制作サイドも同様に解説していました。

もし、コンサルタントであることを前面に出してしまっては、キャラクターのカラーが大きく変わってしまうと思います。コンサルタントは、改善に向けて積極的に提案を行う職業であるため、人との関係構築に苦慮するクリスチャン・ウルフにはミスマッチです。

題名は、そのまま「会計士」にするなり、「ジ・アカウンタント」とするなりで良かったように思いますが、この邦題をつけた方は何を意図してわざわざ「ザ・コンサルタント」にしたのか・・・諸事情が気になるばかりです。

「職業 会計コンサルタント、本業 腕利きの殺し屋」?

予告編では「職業 会計コンサルタント、本業 腕利きの殺し屋」とありますが、クリスチャン・ウルフは別に殺し屋が本業なわけではありません

本業は、どう見ても裏社会の会計士なわけであって、顧客(マフィア)の性質上、戦闘にも長けているということでしょう。また、これは自閉症というハンディキャップを克服するために、厳格な父親から授かった生きる術であって、別に殺しを生業にしてお金を稼いでいるわけではありません。冷徹に相手を倒していくシーンは迫力がありますが、降りかかる火の粉は払うといった描写でした。

改めて考えると、「職業 会計コンサルタント、本業 腕利きの殺し屋」って、コンサルタントでもないし殺し屋でもないし、的外れな感じは否めません。

とはいうものの、この予告編を見て「おもしろそう!」と思った私がいるわけなんですが・・

思っていた映画と良い意味で違った

邦題や予告編から受けた印象とずいぶん異なった映画でしたが、結果的にとても面白かったので良かったです。

みずみずしい人物像や話が帰結するまでの流れ、テーマをあらわした美術的演出、そしてアクションシーン。見どころはたくさんありますね!

一度見てから、もう一度見返すと「あー、なるほど」が多い映画でした。

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